心ゆくまで仕事ができる環境が良い。

水野さん 陶芸家
  • 水野さん
  • 陶芸家

八百津との縁

実は、八百津に住むというつもりで探していたわけではなかったのですが、縁があったのだと思います。
その頃は名古屋に住み、陶器の学校に通っていて、陶芸の仕事ができる移住先を探しているときでもありました。

ある日、新聞に載っていた恵那と八百津の境目にある売家の小さな広告に目が留まりました。
瀬戸のあたりでも良い家が無いか探していたのですが、なかなか気に入る物件と巡り合えないでいたのですが、
現在の自宅となったこの物件は、一度見ただけで決めてしまったほど私たちの思い描いていた「家」のイメージにぴたりとはまりました。
「恵那に住むことになった」というつもりでいたのですが、よく見ると住所が「八百津」だったというのは今ではちょっとした笑い話になっています。

時を経たものを大切に使う暮らし

いろいろと良い出会いが重なり、現在使用している家具も、「この家になら似合うと思います、是非使ってください。」
と、思い入れのあるものを人から譲り受けたものです。

この家と同じ時間を過ごしてきた趣のある家具を招き入れ、ますますこの場所が気に入りました。
改装工事などはほとんどせず、昔ながらの家の良さをそのまま残したくて
床と、トイレ、その他痛んでいるところの修理に留めました。
築140年くらいのこの住宅に合う家具は、現代風のものでは似合わない。
人にいただいたり、そのほかは自分で作ったり。
拾ったものを修繕したものもあります。
時を経たものを大切に使う暮らしの中で、心が豊かになってゆくのを感じていきました。

心ゆくまで仕事がしたい。

あまり人が訪れない場所というのは、手が止められない陶芸の仕事をするのにはとても良い環境です。

心ゆくまで、集中して仕事がしたい。
窯も持ちたかったので、都会の街中という選択肢はありませんでした。
ここなら窯も作れるし静かな環境もある。

人も車も通らず、夜も静かで、 目の前の小さな川の流れの音がするくらい。
年に一度くらいマイナス12度くらいまでの寒さになる厳しい環境でもあるけれど、植物がたくさんあって、私たちが「住処」に求める条件は十分そろっていました。

暮らせない場所なんてない。

目の前に季節ごとに広がる色とりどりの大自然。
その中から少しだけ拝借して、製作した花器に生けたりすることも楽しみの一つです。

ここで摘んだ植物を、展示会のディスプレイ使用したりすると、都会の方々にもとても喜ばれます。

自分たちの求める条件に合いさえすれば、暮らせない場所なんてない。 

(奥さんのお話し)
植物がたくさんあるので、私もこけ玉つくりとかを始めました。
こっちへ来てから植物の名前を気にして覚えるようにもなりました。
「地球上に人がくらしている場所があるんだから、暮らせない場所なんてない。」
日々の暮らしの中に、少しづつの喜びを感じながら暮らしていける場所が
私たちの「家」だと感じています。